第ニ回 北総里山タウンミーティング −生物多様性ちば県戦略にむけて−
『里山に囲まれたまちづくりをめざして、私たちの提案』
2007年7月20日 19:00〜21:00 於:保険福祉センター

■北総里山クラブから県への提案  ■参加団体からの提案  ■意見交換・アンケートより


■北総里山クラブから県への提案:生物多様性戦略ちば県民会議への提案

T 提案の背景

 首都圏30〜40キロ圏にもかかわらず、千葉ニュータウン周辺には多くの緑地が残っている。 白井市を取ってみても里地里山は、全面積の60%を占めている。
 しかし、
 1 都市集中化、成田高速鉄道の開通が具体化したことから、都市化の波が怒涛のごとく押し寄せてきている。
 2 農林業の不振、衰退によって、農家の高齢化、後継者不足、離農、耕作放棄地が顕在化してきている。白井市ではこの20年で田畑の耕作が35%減少している。現在はそれ以上進んでいると思われる。
 3 白井、西白井両駅前のマンションの建設、ジョイフル本田周辺の商店街、森を削っての富士地区の住宅建設が全体の都市計画やバランスと関係なく進められているのが象徴的である。
 4 規制緩和、交付金削減の下に行政の役割が大きく後退している。もともと印西市も白井市も財政規模が小さい。 こと等から、このまま規制しない、計画を立てない、無関心で資本の論理がお もむくまままちづくりを進めていけば、北総地域の緑地帯は一気になくなって しまうのではないか懸念される。この間の市川市、船橋市、鎌ヶ谷市、松戸市 を見れば明らかであろう。
 北総地域の緑地帯が、多くの生物を育み、温暖化を防止し、食糧を生産し、市民にいやしややすらぎを与え続けている。しかし、資本の論理での都市化の波を止めるだけの力や方法が現在、市民、行政、事業者にはない。
 わたくしたちは今、100年単位でのデザイン、あり方が求められている。
 緑地帯の減少をくい止めるための当面の課題は、次のとおりである。
 1 生物多様性を守る等のため、大都市近郊のまとまった緑地帯を残す市民合意を確立すること。
 2 緑地帯のほとんどの所有者である農家の生活基盤の安定で里山自然を再生・保全すること。

U 県民会議への提案

一 大都市近郊のまとまった樹林地、緑地を残す


1 課題
  千葉県東部の戦後の歴史は、首都圏の膨張とともにまとまった緑地がつぶ されベッドタウン化されてきた歴史である。その波は16号線まで押し寄せてきている。
  北総地域の緑地帯が、多くの生物を育み、温暖化を防止し、食糧を生産し、 災害を防止し、市民にいやしややすらぎを与え続けており、開発の波が怒涛 のごとく押し寄せている現在、それらを如何に維持させていくかが問われて いる。
2 提案

  多くの役割を担ってきた大都市近郊のまとまった樹林地、緑地を残す。
  多くの生物のために、緑のネットワークとして計画的に残す。つながらない部分には植樹をする。
3 具体的取り組み

  (県民の役割)
   市民合意に向けて啓発活動を行う。
   保全・管理活動を行う。
   ほとんどの土地の所有者である農家の生活基盤安定に向け協力する。

 (事業者の役割)
   企業等がバブル崩壊で無用になった土地を提供する。
   公有地の近接地や大規模所有者に協力を求める。

  (行政の役割)
   公有部分は売却しないで残す。
   公有地の近接地や大規模所有者に対しては、税の優遇等で事実上残すよう誘導する。

二 里山自然(含む農業)の再生・保全


1 課題

  絶滅危惧種の5割が里地里山に生育しているといわれているが、都市化の 波、農業経営の不安定さから現在、その環境を維持させることはもちろんの こと、1950年代までに回復させることは非常にこんな状況である。  その最大の原因は、農産品の商品化、グローバル化が進行し、地域住民の 生活、環境の多様化を破綻させたためである。
2 提案

  市民の手による農業支援活動、行政の支援
@ 耕作放棄地の解消
    農地の管理に一時的代替(雑草の抑制、連作防止の予備地、土壌の維持等)
A 地元産の農産物の購入の促進、組織化  
B 生物多様性、食の安全に向けて、無農薬・減農薬、冬季たん水等 を行う農家には公的補助を行う
C 市民への啓発、大都市への宣伝活動

3 具体的取り組み


  (県民の役割)
   農業支援活動
   地元産物、特に有機無農薬等の積極的購入
   啓発活動への参加

  (事業者の役割)
   地元産物、特に有機無農薬等の積極的購入
   
  (行政の役割)
   農業の公的役割の部分に積極的補助
   市民への販売、大都市民への宣伝、そのための施設作り

■北総里山クラブ、参加団体からの提案

■意見交換・アンケートから

本日は聴講させていただき ありがとうございました。

とても熱い意見が聞けて よかった。いろいろな内容が含まれていて 集約するのが大変だと思いました。今後も議論を重ねてより良い里山が 残ってくれることを望みます。

大変勉強になりました。 今後もこのような会を催してください。

里山保全の必要経費 税の新しい使い方を考える必要がありそうです。

北総地域の生物多様性保全への 活動の連携が進み取り組みが加速されている 状況を知り 大変心強く感じた。一方生物多様性の意味を正確に理解する事の 必要性も感じた。「コスモス」は生物多様性に反する事を きちんと確認して おきたい。

中村氏のお話良かったです。化学物質の氾濫が 環境、子供達、生き物全てに 深刻な問題を起こしている事も 見逃してはならないと思います。

谷田地区のウォーキングをしています。この美しい森を 是非草深の森の如く 自然林として管理整備して下さい。県立公園になれば理想的です。又ドッグランなども作ると 人が集り易いと思います。

農家の意見も入れて下さい。

タウンミーチィングも2度目になった事もあり 具体的で且つ熱のこもった 議論、提案がなされた。県への提案内容は大変わかりやすい。ぜひとも実現 させたいものだ。参加者はほぼ全て活動当事者である。若い人や住民をひろく 呼びこむ為に何をやるべきか どうしたら良いか考える必要がある。たいへん中身の濃いタウンミーティングでした。お疲れ様でした。

  北総エリアとして 将来的に印旛村、本埜村を含めて保全してほしい。 市民が農業に参加するために 県が休耕田を借りて市民に開放するなどの施策 を とってほしい。                     

この自然環境、田園景観を保全する『里山に囲まれたまちづくり』構想の中に障害を持つ人たち(特に精神疾患を もつ人たち)が何か役割をもてないかと思っています。タウンミーティングに集まった白井・印西・本埜・印旛地区は 精神疾患を持つ人たちへの支援システムがありません。自然を生かして支援する場をくみこめないでしょうか。

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