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■第ニ回北総里山会議の記録

次第
1 開会
2 座長挨拶
3 副座長挨拶
4 議事
(1)谷田、武西地区の里山の保全・活用の方向について    …(資料1)
(2)課題に係る簡易調査の状況報告について          …(資料2)
(3)広報活動の実施について                    …(資料3)
(4)今後の進め方について                      …(資料4)
5 その他
6 閉会

会議資料
会議次第
出席者名簿
資料1【対象地域及び保全・活用地区の土地利用の方向(案)】
資料2【白井市谷田地区、印西市武西、戸神地区の保全企画
     基本構想案経過報告NO.1 】
資料3【広報啓発活動(案)】
資料4【今後の進め方(案)】

第ニ回北総里山会議要録
日時:平成20年12月10日(水)10時〜12時
場所:いんざい産学連携センター
参加者 委員
  木下勇   千葉大学大学院園芸研究科教授
委員宣   明治大学農学部教授
関健志   (社)日本ナショナルトラスト協会事務局長  (財)日本生態系協会事務局長
柴倉良男  西印旛農業協同組合指導販売部(五代委員代理)
鈴木均   NPO法人ラーバン千葉ネットワーク理事長
大曽根健久  東京電力(株)千葉支店部長
木下順次  イオン(株)環境・社会貢献部リーダー
齋藤佳之  東京電機大学環境情報学部事務部長
長谷川雅美 東邦大学理学部生物学科教授
金井正   白井市環境課環境保全班(川村委員代理)
玉野辰弘  印西市生活環境課長
古木達郎  千葉県生物多様性センター副主幹
事務局 9人(千葉の里山・森づくりプロジェクト推進会議事務局5人/北総里山クラブ4人)
傍聴 11人


会議内容

1 委員挨拶
2 副委員挨拶
3 議事
(1) 谷田、武西地区の里山の保全・活用の方向について
    資料1及び資料2により自然・環境部会 長谷川雅美教授が説明。
    北総里山クラブ内に設置した谷田、武西プロジェクト委員会のメンバーが、 谷田、武西地区を何度も歩き、基本的なゾーニング案を作成したので、それをもとに自然環境部会の 案として提案する。企業庁用地を以下の3つの区分で保全・活用する。
保護区 貴重植物や猛禽類などの生きもの、湧水と湿地、草原を保護する。
保全区 草原など人が入って手入れして保全する。
交流区 企業庁用地を核として、地元や都市住民などがさまざまな交流をしていく拠点として活用する。 地元の農地や資源を合わせて保全し、未来に開かれた里山としての保全をしていく。
この地域には、農業振興法により、農振地域として指定されている地域があるので、 収穫物を販売する施設を作る。

ゾーニングの根拠
@水源を含めた歴史的に貴重な場所であり、印旛沼の水源谷津として貴重な環境にある。
A猛禽類が繁殖している豊かな生態系からも貴重な場所
B里山の交流として、農家と都市住民と交流し、自然とふれあう。
C昔の里山
保護区、保全区、交流区の詳しい中身については、この会議の議論を経て、今後作っていき、次回に提案していく

【意見交換】
委員 自然保護区と自然保全区はどのように条件が違うのか。
委員 保護区は、人が頻繁に入ると荒れてしまう脆弱な場所や猛禽類の繁殖地であり、 一般人を立ち入り禁止とする地区。一方、保全区は、規制が緩い。イベント等を考えながら、 自然環境の保持をする。

委員 3地区をあわせると広大なエリアなので、柵などを設置するのはたいへんだ。
立ち入り禁止地域をどう確保するのか。全体を大きな保護地ですよという認識を持ってもらうための、 公園設定などどう考えるか?
委員 現状は侵入し放題なので、全体を保護しなければならないとピーアールすることになるが、 交流区にアプローチの入り口もしくは窓口としてのなんらかの施設が必要である。 観察会などを開催して、城壁のない街を守るための啓発を行い、市民の意識を向上させていく努力は欠かせない。

委員 施設というのは、ビジターセンターなどか?
委員 清戸の福祉センターは、この地域のビジターセンターとしての役割が担えるのではないかと考える。 また、武西地区に農園があるので、そこもビジターセンター的な役割ができるのではないかと考える。 また北総花の丘公園が全体的な中核として位置付けられればと思う。
委員 現地を視察したとき、ゴルフの練習場として、10年、20年、自分達で草刈しながら既得権のように使っていた。 そのような場所を保全しようとすると、シリアスな問題が発生する。

委員 ゾーニングの定義は慎重に行う必要がある。細かく土地が分かれているのに、 おおざっぱな分け方でいいのか。また、今後の保全計画を考えるうえで、現状の景観からするのか、 以前の種を調べて、目標種を設定するのかを考えていく必要がある。この場所に本来あったものが、 ニュータウン計画でなくなってしまっているかもしれない。それを交流区で復活させるというのはどうだろうか。 どういう生きものをどこに発生させたいかという目標種を設定して、区分するというのはどうか。 戸神は交流区になっているが、せっかく禽類が繁殖しているなら、保護区を設けてもらえないか。
委員 今回のゾーニングは企業庁用地について行っており、戸神地区については、企業庁用地はほとんどない。
目標種をいかに設定するか、むずかしい課題である。今回は、白井市の自然環境調査、印西市の武西、 戸神の自然環境調査、それと、北総里山クラブの構成員が長期間調べてきた結果をもとに、 現状の生きものを保護し、これ以上衰退させないための保全を目的としてゾーニングしている。 過去や全体の状況を見て、将来どういう形で保全していくかまでは、力が至っていない。

委員 海外では、開発したあとでも、自然を復活させるなどの対策がとられている。千葉県としてはどうか。
委員 具体的なことはまだない。

委員 千葉県県土整備部がコンサルに委託して作成した印旛沼集水域のベースマップに生物多様性の 情報を加味して、印旛沼の水源として拠点となる地域を守り、劣化しているけれど、より生態系が豊かな この地域の質を向上していくシステムを作れないかと考えている。
また北総線の開発に当たって、詳細なアセスメントが行われている。そのような情報を集めていき、 この地域の重要性が確保されることによって、他の地域で劣化している場所のミチゲーションとしての役割ができる。 まずは現状維持だが、情報が整備されていく中で、将来を見据えた目標設定をしていくものと考えている。

委員 地元の農家のことも考えながら、全体の構想を考えていくには、段階も必要だし、時間もかかる。
千葉県のモデルとして保全し、地域の振興になるというイメージを作っていくとき、 地主さんともイメージの共有が必要ではないかと思う。農家を訪ねて昔の暮らし方を聞くなど手法は いろいろあると思うが、地元とのコミュニケーションはどうなっているか?
委員 地主さんとは、そんなに密ではないが、接触させてもらっている。
北総里山会議に至るまでに、北総里山クラブが生物多様性ちば県戦略の策定に参加する過程で、 3回のタウンミーティングを開催し、その経過報告を携えて地主さんに報告するなど、接触を持っている。

委員 財産権と公共の福祉(環境が大切)の問題になってくるので、 地主さんに積極的に里山の保全活動等に協力してもらうためには、地道な作業が必要だ。
委員 保護区と保全区が散在している印象を与えているのは、現段階では企業庁用地についてのみ、 ゾーニングを設定しているからだ。今後は、隣接する土地の地主さんと話していく中で、 より広範なエリアのゾーニングに入ると認識している。

委員 今年度は、企業庁との関係において、企業庁の土地をどうするか、方向性を出さなければならないので、 まず、企業庁用地の問題だが、全体的な方向性の中で位置付けていくことが課題だ。

委員 武西、戸神地区はニュータウン区域だったが、計画縮小で除外された。 印西市の都市計画にも緑の基本計画にも入っていない。印西市内の環境系の団体もかかわっていない。 あまり知られていなかった。結縁寺や草深では、ラーバン千葉ネットワークが地元の農家と仲良くなりながら、 相手の意見も聞いて活動してきた。地元の農家の人と交流、情報交換など地道な活動が一番必要。 私有地にしばりをかけるのはむずかしいが、これだけの価値があるから、保護していきたいという提案を したらどうか。
法律の網をごそっとかけると、地元の人はいやがる。そうではなくて、時間をかけて説得していくことが必要だ。 そこには、市、県など行政サイドの後押しが必要。
委員 構想案をまとめる前に、市に仲介に入ってもらって、地元の意見を聞く機会が必要かもしれない。
委員 農家の人は自分の土地は自分で守るという意識を先祖代々受け継いでいる。公的な機関が間に入るのが、 一番の近道だ。
委員 水神さんにモトクロスで入っている現実がある。水神さんを守っている地元の人達とどう解決したら いいかとかいうような話から入っていく、まず問題を共有するのがだいじではないか。
委員 ショッピングセンターがすぐ近くにあるので、自然の価値に気付かないニュータウンの生活者に対する情報提供の場として利用することも考えられる。 委員 谷田地区は、白井市では保全する方向になっている。地主さんの意向を確認しながらやっていくのが 課題になってくる。

委員 今回の地区については、市の計画では、位置付けがされていない。結縁寺には、自然のワサビがあったのに、 最近では根こそぎやられてしまった。都市住民が里山に入っていくときは、ルール作り、 地元に迷惑がかからないようにすることが必要だ。農繁期と美しい時期が重なるので、 公園のような気分で入ってこられると、生活が踏みにじられる。
地元の人達から『きっちんくよ』(きれるよ)と言われないよう、地元の理解を得るのが一番大切だ。
委員 ニュータウン地域では、保全より開発という地権者の意識がある。 一度描いた開発を撤退していくのはむずかしいが、人口減少時代において、 市の長期ビジョンなどと合わせながら、検討していくことが大切だ。

    委員 千葉県内に5つある火力発電所の構内に、緑地、ビオトープを設け、多くの人を招いている。 また印旛沼の浄化のお手伝いもしているので、そのノウハウを役立たせたい。

委員 今後はどういう方向になるのか確認させていただければ、内容については、特に意見はない。
委員 草原に関して、現状維持するのか、自然の遷移にまかせるのか、保全区や保護区でどういう 管理をするのか知りたい。
水源が一番大切だが、周辺が開発されると守れない。このエリアだけを考えて守れるものだろうか。
委員 草原については、目標種を設定したうえで、適切な管理をする。たとえば草刈を年に何度すれば よいかというようなことに関しては未検討なので、専門家を招くなど研究しながら、 より適切な保全策を出してもらって、多くの人に参加を呼びかけて守っていきたい。
湧水を涵養する森林を保全するという方針は持っているが、どう保全するかについては、 行政と協力して考えていかなければならない。沢山の泉隣接の企業庁用地の売却予定地については、 要望を出している。それ以外の場所に関しても、エリアの中では、水源を破壊するような 開発はしないような処置を考えていかなくてはならない。
今日の提案は、ゾーニング。実現していくためには、どういう対策をとっていくか、 それは別の部会で考えていくことになるのではないか。

委員 具体的に進めるに当たっての地権者の問題や、実際の管理など具体的なことについては、 部会で検討していくので、おおむね、この提案でよいか。

提案について、合意

(2) 具体的な簡易調査の状況報告
資料2により、北総里山クラブが報告。

【意見交換】
委員 ごみの問題は、地権者を含めて、問題を共有する課題となる。

(3)広報活動の実施
資料3により、北総里山クラブが提案。
提案について、合意

(4)今後の進め方
資料4により、北総里山会議事務局が説明。
第1回目以降、自然・環境部会、活動部会が活動している。
経営部会については、農家の人達から、北総地域の農業の課題について伺い、 @販売戦略の拡大の問題、A谷津田に集中している耕作放棄地をどうしていくかという問題、 その2点が出された。
今後@制度設計に係る勉強会という形で、どういう手順で進めるのがよいか、関係者の意見を調整し、 具体的に相談していく。A緊急課題に係る勉強会として、緊急に必要な部分についてどういう対策を進めていくか、 ごみの問題をどうするかを勉強会という形で検討していく。それらの結果は、第3回に向けて調整していく。
第3回では、自然・環境関係について一つのまとめとする。また制度設計に係る部分を含め、 関係者調整を進めて、報告したい。

【意見交換】
  委員 今日はラフデザインとして、方向を認めていただいたが、構想に地元の声が反映されることが必要なので、 オーソライズして関係者に発表するという従来の形ではなく、時間もかかるが、 プロセスの中で早めに情報を提供していただけたらと思う。
事務局 4月以降のところでは、できるだけ地域の方にも参加していただきたい。
委員 委員が部会に参加できるよう、事務局サイドで声かけしてほしいし、また委員からも積極的に協力して いただけたらと思う。
農業の振興や環境保全型農業など、農政ともからんでくるし、企業や、教育や子ども達をどうまきこむかという 問題もある。自治体の全体構想もからめて、文言として整えていくという課題が残っている。 生物多様性の面だけでは、問題を共有するのはむずかしい。 地元やニュータウンの人の将来の生活像をどう描くかというビジョンを文言に入れて、それから保護、保全、 交流の定義づけをしていく。そういう構想を作っていただければと思う。
九州で開催された子どもにやさしい都市の会議に参加し、九州バイオマスネットワークを知る機会があった。 新しい時代の市民、行政、企業が連携し、子どもたちも関わっている。非常に刺激を受けた。 千葉県も、誇れるようなビジョンをぜひ描いてほしい。

(その他) 委員 資料2の内容に関して、質問、意見など、事務局に寄せてください。
委員 部会が立ち上がったときは、運営や委員について、知らせてほしい。
委員 部会が開かれるときには、委員に参加を呼びかける案内をお願いしたい。
  新しい時代の構想を作るので、よろしくお願いします。
以上

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